午前2時
目が覚めると泣いていた。
いや、涙が出たから目が覚めたのか?
どちらでもいいけどとにかく目が覚めたとき不愉快でたまらなかった。
時計を確認するのも億劫だった。
微かに雨の音がする。正しくは車輪が雨を切る音がする。
薄暗い部屋でとにかく不愉快な私は見ていた夢を頭で反芻した。
人生で一番私を狂わせた男の夢。
私を作り替えたくせに私に作り替えられなかった人。
私のものにしたいくらい好きで、私のものに絶対ならないところが好きだった人。
夢の中でも思い通りにならなかった。
未来の君に会ったはずなのに、私は未来の君を知らないから、あの頃の外見で知らない職業で、あの頃の笑顔で、知らない仕草で出て行った。
現実で酷い別れ方をしたからもう二度と会いたくないし、会えないから、大丈夫だよ。
わざわざ夢にまで出てきてくれなくても、大丈夫。
それとも少しは私に会いたかった?
君は結婚したんでしょう。