想像
今週のお題「チョコレート」
自分が思っていたよりもずっと、甘いものが好きな男の人は多いのだと知った。
ただ、私が思っていたよりもずっと、甘いものの値段を知らない男の人が多いのだと思った。
私は人より経験が少ないし、大抵先人がしたり顔で書いたり言ったりした説をなるほどとなぞる。
だから、バレンタインにはチョコレートだと思っていたし、男の人にあげるなら甘くないチョコレートだと思っていた。
好きな人にあげるなら値段の高いものを、とも。
贈り物の値段は愛情に比例するのよ。
そういう使い古された説をなぞった。
ただ、私の好きだった人は甘いものが好きだったし、チョコレートも甘い方が好きだった。もっと言えばチョコレートより生クリームが好きだった。
有名店のチョコレートも、スーパーの板チョコも全部美味しいと食べる人だった。
私がやるべきだったのは、『一般論』や『世間』が求めるバレンタインでななく、目の前の好きな人の『喜ぶこと』だった。
そういう積み重ねが、私たちをダメにした。